THEORYThe Results of Academic Report of Yoshika

2021.11.26

トレゼゲ インタビュー Part3

インタビューPart2は こちら

 

下線部・・・トレゼゲ選手がストライカーに重要な要素にについて言及している箇所

 

松原 このインタビューをやらせてもらっているのは、日本がワールドカップに出て世界に勝っていくために、僕も指導者として現場に生かすためにやっているんだけれども、日本の印象っていうのはどうですか?

 

トレゼゲ 結局日本のサッカーっていうのは、ヨーロッパからしてみるとそこまでフォローされてないんで、正確なことはほとんど把握してないんですが、やはり、ワールドカップに行くだけで満足してるようではダメだと思っていて、いつかその先にもう一歩踏み出せるようにならないといけない。そのためにはメンタルの部分で、勝者のメンタリティを兼ね備えるようにならないといけないし、サッカーの文化レベルももっと上げていかなければいけない。そういったものを育んでいかなければいけない。なので、技術レベルはどんどんと向上している、ワールドカップに出れるようになってきている、いつかそれよりも先に行かなければいけない時が出てくると思うんで、例えばアメリカがやっていること、メキシコがやっていること、そういったものを真似するだけじゃなくて、いつかそのもう一歩先を踏み出せるようになっていかなければいけないんじゃないかと。

 

松原 最後に聞きます。具体的な動き方、さっき、ゴールとボールを常に見て、斜めに入る、見るってことを言ってたんだけど、他に何かありませんか?そういう動きで。具体的には、右からのクロスボールに対してと、ロングカウンター、ショートカウンターと。

 

トレゼゲ 難しいのが、結局そのクロスを誰が上げるのかっていう話になるので、それこそチームメイトを知る。つまり、T㉜チームメイトと一体になるっていう作業を日々行っていくのが大切だと思います。

 

松原 相手チームの選手のことは知らなくていいの?

 

トレゼゲ もちろん相手も。例えば、マンマーク気味に来るのか。なので、判断材料として、相手の特徴も入ってくる。

 

松原 グスタボ(ポジェ)がこう言ったの、「適切なエゴイスト」って。

 

トレゼゲ 私は、T㉟「健康的なエゴイズム」と呼んでる。どういう意味かというと、チームのために仕事をしなければいけない、チームのために結果を出さなければいけないというのが前提になっている。やっぱり、T㉝フォワードっていうのは自己中心的な人が多いっていうのもそうですし、キーパーに変人が多いように、T㉞フォワードにも変人が多いと思っている。そういったもののベースはあるんですけど、普段の練習で結果を出さなければ、エゴイズムというのもどんどん出てくる。だけどそれは自分本位ではなくチームのためでなければいけない。そういう意味で、健康的なエゴイズムだと思っています。

 

松原 フォワードってやっぱり変わってる?

 

トレゼゲ やっぱり変人だと思います。なぜかというと、与えられる役割がすごく影響してて、結局は感情で生きているわけですから、ゴールをするってことは感情で生きてるってことですよね。責任も大きいわけですよね。なので、T㊼チームの中では皆が責任を負わなければいけないけれど、その中でも一番大きいのはゴールなんですよね。なぜかというと、T㊱サポーターはフォワードに対しては違う目で見てますし、ゴールが決まった時になんでスタジアムが湧くっていうのは、やっぱりゴールが決まったからなんですよね。その役割の多くを担っているのがフォワードなわけですから、そういう意味では責任が大きい。そうするとT㊲個性が強い人間がそこをやるようになってくる、つまり変人が多いということです。メッシとかクリスティアーノロナウドとか、最近のストライカー像に合ってきてますけどね。

 

松原 やっぱりジダンとプレーすると楽しい?

 

トレゼゲ もちろんジダンとやった時も楽しかったですし、それ以外のT㊳優秀な選手とやった時も楽しかった。やっぱりうまい選手とやると、気持ちの面で高揚感もありますし、自分もうまくなってる気分になるので、楽しいです。

 

松原 じゃあこれが本当に最後の質問です。なぜ、あなたはストライカーへのインタビューをやってるんですか?

 

トレゼゲ なにがストライカーにとって大切なのか、っていう確認作業がしたかったっていうのが一番なんですね。それで、様々な環境で育って、様々なチーム、様々な特徴を持った選手たちが、何が共通点なのか。そういう事の確認作業がしたかった。で、T㊴やっぱりトレーニングをしっかりする事だったり、T㊵チームメイトを知る事だったり、T㊶監督のやりたいサッカーを知る事だったりっていう風になっていったんですね。みんなの共通点を探っていくと。で、結局なんでそうなるかっていうと、T㊷より得点をしたい、より自分が主人公になりたい、主役になりたいっていう気持ちが強いっていう結論に至ったんですね。一番古い選手でカレッカ。最近の選手でイカルディ。これだけの年代の幅がありながら、共通点がそこに絞られる。いろんな環境の人たちにインタビューを行いましたが、そこに絞られたんで、そういう作業をしていてすごく楽しかったです。

 

松原 なるほど、すごい人ですねあなたは。

 

トレゼゲ システムとかももちろん変わってきてるんですね。中盤像も変わってきてるじゃないですか。だけど、T㊻本質のところは皆同じだって分かってよかったです。

 

松原 本当にありがとうございました。