2022.05.13
3-2 指導者のインタビュー結果
3-2-1 グスタボ氏の事例
グスタボのインタビューデータは、①体調管理のことについて述べた「コンディショニング」、②ストライカーとしての心の持ちようや、意識していることについて述べた「心構え」、③ストライカーとしてやるべきことや、チームメイトとの連携について述べた「理解力」、④ストライカーとしての感情や意志の傾向について述べた「性格」、⑤ストライカーに必要な技術について述べた「スキル」、⑥年齢について述べた「環境」、⑦フィジカル強化の重要性や筋力トレーニングについて述べた「身体」、⑧ストライカーになるために、プロになる前の年代までにすべきことについて述べた「育成年代にすべきこと」の8つのカテゴリーに分類することができた。(表8-1、表8-2、表8-3、表8-4)それぞれのインタビューデータは、コメント内容と番号で記すこととする。また、コメント番号は本研究の資料にあるコメント番号と一致する。
まず、第1のカテゴリーである、「コンディショニング」は、「試合への準備」「栄養管理」の2つのグループで構成され、「試合への準備」というグループには、「生活スタイル、試合の日には一番ベストな状態でいれる(G-37)」が分類された。「栄養管理」というグループには、「食べ物も自分の体つくりのために食べる(G-36)」が分類された。
第2のカテゴリーである、「心構え」は、「向上心」「FWとしての役割」「シュートメンタル」の3つのグループで構成された。「向上心」というグループには、「練習を100%で行う(G-33)」、「足りないところをTRする(G-34)」、「練習後でも自分の為に残る(G-35)」が分類された。「FWとしての役割」というグループには、「チームの役割を果たしながらFWは点を取る(G-44)」、「FWは適切な守備しかしなくていい(G-15)」、「適切なエゴイスト(G-13)」が分類された。「シュートメンタル」というグループには、「ゴール前の落ち着き(G-3)」が分類された。
第3のカテゴリーである、「理解力」は、「チームメイトへの理解」「自己分析」「コミュニケーション/観察」「かしこさ」が分類された。「チームメイトへの理解」には、「チームメイトのお互いの特徴を知っておく(G-30)」、「そのやっている仲間を知る(G-17)」、「それをチームが理解する(G-14)」、「仲間をよく知る(G-26)」、「どういう選手とやっているか知ることがすごい大事(G-16)」が分類された。「自己分析」には、「自分をよく知る(G-5)」、「自分のプラスとマイナスを知ることはチームにとっても大切(G-6)」、「賢さを考えることが才能(G-11)」が分類された。「コミュニケーション/観察」には、「トップとのコミュニケーションがよかった(G-25)」が分類された。「かしこさ」には、「ゴールは8割がダイレクト(G-29)」が分類された。
第4のカテゴリーである、「性格」は、「ストイック」「DNA/才能」の2つのグループで構成され、「ストイック」には、「自分にも厳しい(G-38)」が分類され、「DNA/才能」には、「生まれもったものは絶対ある(G-10)」が分類された。
第5のカテゴリーである、「スキル」は、「タイミング」「オフザボール」「オートマチック」「ダイアゴナル」「動きの強度」「見る」「若さ」「判断スピード」「シュートスキル」「ボールを受ける前の動き」「予測」の11のグループで構成された。「タイミング」には、「彼らが持っているタイミング(G-1)」、「その後タイミング(G-28)」、「走りながら相手の目を見て走る」、「待ってる。動きまくるのではなく時を待つ。タイミング(G-24)」が分類された。「オフザボール」には、「スペースをうまく使う(G-45)」、「常にいいポジションを取っている(G-22)」が分類された。「オートマチック」には、「感覚的にゴールはどこにあるかわかる(G-31)」、 「注意して色々見てる感覚(G-21)」が分類された。「ダイアゴナル」には、「基本的にダイアゴナルを意識してる(G-40)」が分類された。「動きの強度」には、「プンサンテ刺さる、ナイフで刺さる、殺すから刺さるその動きで相手を殺しちゃう(G-47)」、「縦に力強い壁を壊すかのようにとにかく力強い一つ一つのプレーが痛いみたいな痛くなるくらいの強さ(G-46)」が分類された。「見る」には、「DFを見て自分の動きを決める(G-19)」、「敵の動きを見てから自分が動き始める(G-27)」、「走りながら相手の目を見て走る(G-18)」が分類された。「オフザボール」には、「常にいいポジションをとっている(G-22)」が分類された。「シュートスキル」には、「ネットへのパス別にネットをぶっ壊す必要はない(G-4)」が分類された。「ボールを受ける前の動き」には、「ボールを受ける前の動き(G-2)」が分類された。「予測」には、「本当に数秒間早い(G-41)」、「ボールがどこに落ちてくるのかを前もって知る能力(G-23)」が分類された。
第6のカテゴリーである「環境」は、「若さ」の1つのグループで構成され、「年齢の積み重ね、経験、若いっていうのが大事(G-7)」、「勝ちながら楽しむのがベスト(G-39)」、「プロでいうある程度のレベルの中にいると経験の吸収の仕方が違う(G-42)」が分類された。
第7のカテゴリーである、「身体」は、「フィジカルの重要性」の1つのグループで構成され、「フィジカル(G-12)」が分類された。
第8のカテゴリーである、「育成年代にすべきこと」は、「専門性」「各年代で学ぶべきことの理解」の2つのグループで構成され、「専門性」には「総合的な選手を作るより専門的な選手を作った方がいい(G-9)」、「練習前後で良さを引き出す、伸ばす(G-43)」が分類された。「各年代で学ぶべきことの理解」には、「15歳前後っていうのがゴールへのこだわりとゴールを奪うための前後の動きが特別(G-8)」、「13歳くらいまでに利き足じゃない方をTR(G-8)」が分類された。
図7 グスタボKJ法フィッシュボーン(KJ法A型)
表8-1 グスタボKJ法まとめ①(KJ法B型)
表8-2 グスタボKJ法まとめ②(KJ法B型)
表8-3 グスタボKJ法まとめ③(KJ法B型)
表8-4 グスタボKJ法まとめ④(KJ法B型)