THEORYThe Results of Academic Report of Yoshika

2021.10.22

高原直泰選手インタビュー Part2

下線部・・・高原選手がストライカーに重要な要素にについて言及している箇所

 

インタビューPart1はこちら

 

松原 これさ、最後の入り方のところなんだけど、ニアに入りすぎるとチャンスがなくなっちゃうじゃん。幅っていうのは意識してるの?

高原 してますね。

松原 どのあたり?それは。

高原 この辺ですよね。ゴールエリアの幅くらい。ニアに入る時は、ポストとゴールエリアの半分くらいですね。そうじゃないと角度がないんで。ここから先に行っちゃうと、何もできない。潰れるくらい。自分が本当にゴールを決めようと思うときは、そのタイミングですよね。出し手とのタイミングですけど。そのタイミングで、行ってもこのくらいまで。じゃないと、ただの潰れ役になっちゃいますよね。

松原 じゃあ、クロスボールに合わせる時は、ゴールエリアからだいたい、2~3m中のところに目がけていくと?

高原 そうですね。そこはもう半歩でもとりあえず、半歩より少ないけど、自分の方が確実にちょっとでもいいから触る。ゴール前ってちょっとでも触ってコース変えるだけでも入るとか、っていう世界なんで、やっぱりここは駆け引きとして、ニアで勝負する時は、とにかく相手よりも、早く、先に触るっていう。もうそれだけでいい。

松原 じゃあ最初に言ってた、見なくてもゴールの位置が分かる、っていうのは、例えば、ここでボールを受けてDFと一対一になる。その時も切り返してゴールっていうイメージもあれば、たかだと両足蹴れるから、左足で切り返して、右足でズドーン。もうこの辺なんか、ここに入った時にイメージできてる?

高原 T12イメージ持ってますね。イメージあるし、ちょっとごちゃごちゃして、DF対応してるところでは、変化をつけて、カットインして中に入る。そこからはもう駆け引きですよね。DFとの。巻いてこういう風にシュートを打つのか、DFが巻いてシュートを打つのが分かっているから、足伸ばす、股が空く、でだいたい股下通ってニアズドーン。って結構入るじゃないですか。やっぱ、このパターンだとそういうの多いじゃないですか。これをその時の自分がどう決断するかなんですよね。こいつが絶対足を伸ばしてブロックしてくるから、股下を狙うのか、やっぱそういう思い切りも必要。ただそれが一回で終わるわけじゃないから。俺が一回股を狙って、そのあと同じようなシチュエーションがあったら、次どうなってくるかなって思うわけじゃないですか。またこいつ、股狙ってくるのかな、とか。そしたら、今度巻いたら、相手足伸ばしてないかもしれないじゃないですか。そうするとシュートそのまま枠に飛んだりとか。だからその、T11一本一本のシュートでDFと駆け引きするというか。相手のDFの特徴を読んで

松原 じゃあ、最初の一本目のところだったら、たかは、いくつくらいのイメージがあるの?

高原 ここだったら、巻くか、股狙うか、カットインして、シュートフェイントの切り返して左でズドン。このときのズドンもどっちかっていうと、逆サイド狙いますね。逆サイド狙ったら、入ればいいですけど、キーパー弾くっていうイメージもありますよね。弾いたら、誰かが詰めて。

松原 じゃあ先のことも見越しての逆サイド?

高原 そうです。これがもっと近づいていて、当然自信あったらニア上ズドンですよね。やっぱり。

松原 じゃあ、ゴールに近づけば、ここのところはニア上?

高原 ニア上ズドンもあるし、基本に忠実にフォアってのもある。

松原 その基本に忠実のフォアっていう形っていうのは、どの辺の時に習った?

高原 これ、逆っていうのは、中学生くらいの時には言われてたと思いますよね。それは、当然自分が点とるのも大事だけど、チームとして。もちろん、自分がニア上ズドンで入れば、何も言われないけど。入らなかった時には責められるのは当然なんですけど。でもこれ、基本に忠実にやった、こぼれました、セカンドボール詰めてろよって言えます。これで入れば、自分の貢献でもあります。ドイツの時だったかな?T13こういうのもアシストついた気がするんですよね。今はどうかわからないですけど。俺の時は、シュート打って弾いて、セカンドボール決めるじゃないですか、それもなんかアシストついたんですよ、ドイツは。

松原 じゃあ、アシストついたってことはモチベーションになるよね?

高原 まあ、そうですよね。やっぱり、FWはいつも思ってたんですけど、点を取るのは当たり前なんですけど、それが一番の仕事ですから。プラス、ゴールに絡む仕事をする。アシストもそうですけど、自分が打ってこぼれたボールを誰かが押し込んでゴールになる。だから、T33常にゴールに絡んでるっていうのが大事だと思うんです、FWは。ストライカーは

松原 じゃあいつもそういう気持ちで?

高原 そうですね、いつもそういう気持ちですね。

松原 それは変わらない?

高原 変わらないですね。学生の頃なんかは俺が俺がっていうのが一番強かったっていうところで。で、そこからジュビロに入るじゃないですか。そこでドゥンガにボロクソ言われてたんですけど。一人でドリブルして、シュート打って、コーナーキックになっちゃいましたと。ドゥンガが走ってきて、横に中山がドフリーでいたのに、なんでお前出さないんだよって言って、その方が確実だろ?って。

松原 怒られてたね。

高原 はい。そこでお前一人でサッカーやりたいなら全部一人でやれって、コーナーキックだったり全部そのあと一人でやらされた。で、サポーターはオーって湧いてるんですけど、いやいやいやみたいな。

松原 それは試合中?

高原 試合中です。

松原 Jリーグの?

高原 Jリーグの試合の時です。

松原 でもどうなの、そう考えると、影響を受けた人物っていう中で、ドゥンガの存在は大きい?

高原 大きかったですね。だから、要は選択肢の中で、そういう気持ちも芽生えましたよね。だから、より確実にプレーするのがゴール前でいいか悪いかは別として、すべて結果論なんですよね。だから結局そこで決めれると思ってやって、決まったらそこでOKだし、逆に他にいい方法があるのに、そこを使わなくて自分でやって入らなかった。おい、なんで他にやつに出さないんだよって言われるのは当然あって。でもそこを、そんなのが怖いからって言ってパスばっかりゴール前でしてても、怖くないし。そこは状況によってですよ。自分が絶対に決めれるというのなら、自信をもってやればいいし、それで決まらなかったとしても、T34切り替えてどんどん次、次、次という感じで。FWなんてそういうのがありながらも、一点取っていれば問題ないんですから。

松原 変わるよね。

高原 はい。

松原 でもさ、今たかが行ったところってさ、結局最後パスにしちゃうとかさ、そういう選手が多いと思う。でも、タカみたいなそういう気持ちになれるって、どの辺がそうさせたの?

高原 どのへんですかね。でも俺もともと割り切ってましたよ。そういうところは。

松原 小さいころから?

高原 小さいころからもそうだし、でもそれはプロになってからですかね。よりそういう風なのは。ドゥンガにそういう風に言われて。一応、俺は人に言われたことは、一度受け入れようと、そういうのはあったんですよ、必ず。なんでも。その場で、うるせーよっていう気持ちはあるんですけど。そうは言いながらも、T19まず自分の中で、言われたことを受け入れて考えるんですよ。そういう中で、そうは言ってもみたいな。T14結局結果でしょ、結果論の話でしょって。自分が、やれる、決めれるっていう自信があって結果入らなかったとしても、それは自分が責任を負えばいいと。もしかしたら、次の同じようなシチュエーションになった時には、より確実な方を選ぶかもしれないし、次も同じように自分がバーンとやるかもしれないし。でもあまりにもT15エゴイストでやりすぎても、良くないっていうか。やっぱり、そういうことをやっていると、お返しがくるなっていう風に思ってるんですよ。どこでやっていても、海外でも。自分がチームの一員になっているとチームメイトはわかってるんですよね。やっぱこいつのおかげで点がとれたと。じゃあ次こういう風になったら、こいつに点とらせてやろうって。それは日本だけじゃなくて、海外でもあるんですよ。

松原 それは、ボカでもフランクフルトでもハンブルグでも?

高原 はい。どこでもあるんですよ。

松原 それで来た?ボールが。

高原 来ました。チームもそういう風になるんですよ。次はこいつに取らせてやろうって。そういう雰囲気が生まれるんですよね、なぜか知らないけど。やっぱでも、そういうのってすごい大事で。やっぱり、こいつに出してもシュートしか打たないからなとか、俺のことこいつ全然見てないからなとか、っていう風に思われちゃうと、T16逆にマイナスになりますよ。だから、特別な存在って言ったらあれですけど、クリスティアーノ・ロナウドだったり、メッシだったり、スアレスだったり。結局、ゴール前でお互いを見てるじゃないですか。プレゼントみたいな感じでゴール決めたりしますけど、逆の形もあるじゃないですか。ああいう関係が理想ですよね。当然彼らは、自分で崩す能力もあるんですけど、でもそういう、世界のトップの選手も、トップ同士でそういう関係でサッカーやってると思ってるんですよ。見てて。でも一人一人がすごすぎるから、あんまりそういうことわかんないかもしれないですけど。自分一人でもできちゃうから、あんまりそういうの思わないかもしれないですけど。でも。T20実際はお互い動き見てて、プレゼントみたいな形で、自分でも打てるのに出してあげたりとか。でもそれは、一流のところだけじゃなくてちゃんとあるよって、自分もそういう経験したし。中山さんが4試合連続でハットトリックしたときだって、皆中山さんに取らせようっていう空気もあるし、逆に中山さんもこっちにチャンスをくれることもあるわけで。やっぱ、T17チームとしていいサイクルに入るっていうのもストライカーが点とるための秘訣じゃないかなって思うんですよ。T18やっぱりチームの中で、ちゃんとフィットするっていうか、信頼されるって意味では、やっぱあまりにも、俺が俺が過ぎると、あんまよくないなって思いますね。

松原 じゃあやっぱり、得点王になった時は、チームを最優先にしたなかでの自分?

高原 そうですよね、はい。あくまでも、俺はそういう風に思ってますよね。だからよく、エゴイストに日本人はなんないとだめだって言ってますけど、T21俺はエゴイストになる必要はそこまでないなと思ってるんですよね。要はしっかりと、周りの状況を把握して、プレーできるか。当然ゴール前での力強さだったり、技術っていうのはないとしょうがないんですけど、でも、いかにゴール前の状況を見れるか、相手とちゃんと駆け引きして、そういうことを考えられるかっていうのが大事なことだなと思うんですよね。

 

松原 さっき名前が、アルゼンチン人メッシ、ウルグアイ人スアレスが出てきたけど、俺興味あるのが、世界の主要リーグ、イタリアだったらイグアインとかリカルド、メッシ・スアレス スペイン、カバーニ フランス、アグエロ。大体アルゼンチンとウルグアイの選手なんだよね。タカは本当に貴重なボカでプレーしている選手。何が違うと思う?

高原 アルゼンチンの選手って、本当にペナルティエリアの幅から動かないですよね。基本的には絶対離れないです。だから、攻めてった時の最後、フィニッシュのここは絶対動かないですね。いわば、そこで我慢できるというか、その一瞬を逃さないというか。日本人でそれは難しいですよね。なんか動きたがっちゃうじゃないですか、どうしても。でもT22我慢して相手と駆け引きができるっていうのは、なかなか日本人ではできないですよ。

松原 その辺の我慢っていうのは、ボカでプレーしてて感じた?

高原 感じましたね。やっぱり結構俺には難しかったです。僕が行ったのは21歳だったですけど、日本で二年半やってる中では、結構そのジュビロってポジションチェンジ激しかったじゃないですか。そういう中でやってたので、あんまりこの幅で常に待ち続けるって結構難しかったですよ。どうしても動きたくなっちゃうっていうか、関わりたくなっちゃうっていうか。でも、こういうところでうまくポジション取りながら、ゴールを意識してました。

 

Part3 へ続く