THEORYThe Results of Academic Report of Yoshika

2021.10.01

FW育成に関する日本と南米の比較研究 インタビュー方法②

2-4インタビューの内容(質問リスト)

半構造化インタビューの内容は、指導者と選手とで異なったものにした。

その内容は以下のとおりである。

 

《選手に対するインタビュー》

①あなたはなぜどこに行ってもゴールを決められるのですか?

②ストライカーの役割は何ですか?

③ストライカーに必要な要素は何ですか?

④ストライカーになるためにウルグアイで何を身につけましたか?

⑤ヨーロッパへ行きストライカーとして何を身につけましたか?

⑥ゴールを決められない時や辛い時期があったと思います。どのように立ち直りましたか?

⑦世界的ストライカーになるのに影響を受けた人はいますか?誰ですか?

⑧日本サッカーの印象やアドバイスはありますか?

 

《指導者に対するインタビュー》

①調べるとカバーニ、スアレス共に19歳の時ヨーロッパでプレーしています。ということは、ヨーロッパで活躍するために必要なベースをウルグアイで身につけたと思います。それは何ですか?

②ストライカーになるための必要な要素は何ですか?

③ストライカーを育てるために何が一番大切ですか?

④南米は貧しい環境がほとんどで,ウルグアイは人口も少ないですが今素晴らしい選手が沢山活躍していますね。それはなぜですか?

⑤ウルグアイが強くなるために組織に学びを入れたと言っていましたが、具体的に何ですか?

⑥ウルグアイのライバルは,ブラジルですか?アルゼンチンですか?

⑦ハングリー精神は大切ですか?

⑧ウルグアイの育成年代のトレーニングはどんなことをしていますか?

⑨ストライカートレーニングとかはありますか?

⑩ゴールは常に使いゴールを意識したトレーニングを毎回していますか?

⑪ウルグアイサッカーの成長には何が必要ですか?

ウルグアイ代表チームコーチのマリオ・レボーショ氏へのインタビュー

 

 

2-5 インタビューデータの分析方法

 

本研究で分析に用いたKJ法は、文化人類学者の川喜多二郎がデータをまとめるために考案した手法で、まずはブレーンストーミング式にできるだけ多角的な角度から多様な情報を集め、その結果を構造的に組み立てたうえで、それぞれの情報の関係性を把握し統合を見出し、問題の解決方法を導く方法である(川喜多二郎 1967)。

 

 

KJ法は4つのステップからなる。

 

①カードの作成

1つのデータを1枚のカードに要約して記述する。

②グループ編成

数多くのカードの中から似通ったものをいくつかのグループにまとめ、それぞれのグループに見出しをつける。

③グループごとに図解化(KJ法A型)する。

④まとめたグループについて叙述化(KJ法B型)する。

 

 

本研究では、録音されたインタビューデータを、まずサッカーの知識のある通訳者によって全文を日本語の文字に起こした。

次に大学でスポーツ社会学・スポーツマネジメントを専門とする研究者、大学サッカー部監督、大学サッカー部コーチと共に文字に起こしたインタビューを一文一文朗読し、ストライカーに関する言説について、KJ法を用い意味を解釈した。4名で共有した意味内容を一枚のカードに要約し、それらを似通ったグループにまとめ、それらのグループにカテゴリー名をつけ分類・整理し,分析を行った。

 

なお、カバーニ選手と指導者のタバレス氏、カルロス氏は、インタビュー時間が約30分となり、KJ法の分析をするには十分なインタビューができなかったため、KJ法による分析からは除外したものの、考察に引用すべき重要な証言については考察の際に引用することとした。

KJ法を一緒に実施したメンバーの高橋義雄先生(筑波大学准教授)と、小井土助教(筑波大学サッカー部監督)