THEORYThe Results of Academic Report of Yoshika

2022.05.20

指導者インタビュー マリオ・レボーショ①

下線部・・・マリオがストライカーに重要な要素にについて言及している箇所

 

松原 カバーニ、スアレス共に19歳でヨーロッパでプレーしています。ということは、ヨーロッパで成功するために必要な基礎をウルグアイで身につけたと思います。それは何ですか?

マリオ まず技術と得点能力のある選手。

出身地が同じで同世代の選手がここまで活躍をするというのは偶然で、珍しいことです。ヨーロッパに渡った際の成功への重要なステップは、M①小さなクラブに渡ったことだと思います。ウルグアイのチームから、カバーニはパレルモ、スアレスはオランダのチームへ移籍しました。M②小さなクラブで生活や食事などの環境に慣れ、成長していきました。ヨーロッパのプロ生活、ヨーロッパのトレーニングに慣れていきながらM③小さいステップを確実に常に進んでいるのは成功の秘訣だと思います。

成長と共に少しずつ大きなクラブへ移籍しました。彼らのキャリアは常に成長をたどっています。二人の共通点は常に成長し続けているということです。M④成功することへの要求が強く、常に上達をしたい気持ちを持っています。そのため、M⑤現状に満足することがなく、常に「もう少し先」を目指しています。その姿勢が競争心を持たせ、日々の成長へとつながります。

松原 ストライカーになる、必要な要素はなんですか。

マリオ 高い技術はもちろんのこと、M⑥両足を器用につかうことM⑦いいヘディングを持つこと、ストライカーは生まれつき、M⑧小さい時からゴールをとることに慣れていて、そのような環境で育っています。

才能は磨くことができるが、M⑨ストライカーは生まれ持った才能だと思います。

松原 ウルグアイが強くなるために組織に学びを入れたと言っていましたが、具体的に何ですか?

マリオ サッカーにはM⑩判断力が求められます。一流の選手はより早く、より正しい判断を選択しますM⑪勉強は選手の判断力を磨く役割を果たします。国は小さく、人口やサッカー選手の数も少ないですが、でもサッカーの歴史の中で、素晴らしい選手達がいる強い時期があり、今もその時だと思います。

松原 ハングリー精神は大切ですか?

ハングリー精神は大事だが、日々の努力が大切だと思う。スアレスやカバーニの時に言ったように、M⑫現状に満足しないことM⑬毎日上達を目指し挑戦することM⑭目標を少しずつ大きくすることが重要です。(練習やゴールの数など)

松原 ウルグアイの育成年代のトレーニングはどんなことをしていますか?

マリオ 現在アンダー(代表)のトレーニングで重要視しているのは、組織的なトレーニングです。ウルグアイはM⑱個の能力と縦に強い傾向が歴史の中にあるためです。M⑮ポゼッションの上達を目指すM⑯グラウンドの環境も整えています今まではそんなに良くなかったので、今はそのトレーニングができる環境を作っています。

 

2006年から2021年まで、ウルグアイ代表タバレス監督のもとでアシスタントコーチを務めた。

 

松原 ストライカートレーニングとかはありますか?

マリオ フォワードのための具体的な練習はあります。フォワードの技術を磨くことはできますが、先ほども言ったようにストライカーは生まれ持った素質なので、ストライカーのためだけの練習はありません。

松原 ゴールは常に使いゴールを意識したトレーニングを毎回していますか?

マリオ ゴールとキーパーを使ったほうがモチベーションが高まります。特にストライカーにとっては。M⑰ストライカーの1番のモチベーションは、ゴールの中にボールを入れることですからね。

松原 日本の育成ではそんなにゴールを使わないんですよ。

マリオ 日本代表監督だったイタリア人のコメントですが、“日本人はうまいけどゴールは使わない”それは育成に関係していると思いますね。ゴールなしのトレーニングに慣れると、サッカーは幅広くはなりますが、縦に行かなくなる。でも、何を直さないといけないのかを知っていることはいいことです。だからストライカーが出ないのかもしれないですね。いつも外国人フォワードを連れて来なければならない。

松原 先日、日本はワールドカップの出場決めたがストライカーがいない。

マリオ でもワールドカップ決めたからいいじゃない。私たちはまだ出場が決まっていないですよ。

松原 アルゼンチン対ウルグアイの試合はどう感じました?

マリオ お互いに難しい試合だったと思う。彼らは新しい監督でアウェイの状況。勝ち点1は彼らにとってプラスだったと思います。私たちにとっても、3連敗はしましたが得失点差は悪くないところを保っています。その中での勝ち点1はプラスでした。連敗ストップもできたし、状況を考えるといい結果です。ですが、観客はそんなに楽しめなかったかもしれませんが。

松原 どのような戦術を使いましたか?

マリオ 私たちの戦術はディフェンスのシステムの強化、ゴールを奪われないことでした。予選がスタートした頃は、私たちの強みであり、7試合でわずか2失点に抑えていました。連敗の中、守備の強みを取り戻すことができた。技術が高く、とてもいい選手のメッシ、ディマリア、ディバラを抑えなければいけませんでしたが、それができたので良かったです。

松原 タタゴンサレスはどうでした?

マリオ 彼はすごく良かったと思う。マークは最も優れている選手です。イエローカードでプレーが制限されたため交代せざるを得ませんでしたが、ウルグアイスタイルの守備は強く、決して諦めることのない素晴らしい選手です。

松原 フォワードは常にプレッシャーかけていたのは指示?それとも彼ら自らの判断?

マリオ いや、彼らの判断ですね。守備にも意欲的です。相手のセンターバックとたまにボランチまで見てくれていました。フォワードの選手が守備もする。それはウルグアイの守備が強い一つの要因だと思います。

松原 ウレッタはでますか?

マリオ ケガが治ったら判断します。今のウルグアイには、いないタイプの選手、サイドでとてもスピードのある選手です。最初はウイングの選手だったため一対一が仕掛けられる、今はハーフに慣れていますが、ウイングの時の良さが生きています。今回の試合で、いなかったのはとても残念です。早く治ることを願います。

松原 ワールドカップ出場のために何が一番大事ですか?

マリオ 勝ち点を獲得することが一番大事です。そのため落ち着いていなければなりませんし、よりよいサッカーをして、勝たなければなりません。

私たちの特徴は固い守備です。そこからカウンターやダイレクトプレーで相手の守備を崩すことです。

2023年カタールW杯も出場を決めたウルグアイ代表チーム(写真は2017年)