THEORYThe Results of Academic Report of Yoshika

2022.03.25

指導者インタビュー グスタボ・ポジェ①

下線部・・・グスタボがストライカーに重要な要素にについて言及している箇所

 

松原 グスタボにぜひインタビューさせてもらいたいと。テーマはストライカーについて。どうしてかというと、日本のサッカーのレベルアップに協力してほしい。世界を見ると、ストライカーはウルグアイ人はスアレス、カバーニ、フォルラン。そしてアルゼンチン人はメッシ、イグアイン、アグエロ。見てみるとやはり、ウルグアイとアルゼンチンの選手がたくさんいるんですよ。グスタボ監督は、選手としてもサラゴサとかチェルシーとかトットナムとか、一流のクラブを渡り歩いてきた。ウルグアイ人としてね。選手としてもやってきた。そして今も監督としてトップのレベルでやっている。この視点でインタビューさせてください。で、まずグスタボ、一流となるストライカーは何が違いますか?

グスタボ FWのことを想定で考えると、すごく狭い間隔で、G1彼らが持っているタイミングとかG2ボールを受ける前の動き、本当にちょっとした動きなんだけど、普通の人より優れている。G41本当に数秒間が早いとか、あとは、ボールを使ってだったら説明はできるんだけど、そういうところに違いを感じます。あと、ゴール前で大きな特徴があるのは、やっぱりG3ゴール前の落ち着き。3m離れているところにボールを置くだけのことを簡単にやっているように見えるけど、普通の人ならできないし、3mのパスやシュートでも普通の人だったら焦ると思います。ウルグアイでよく言うのは、G4ゴールネットへのパス。別にネットをぶっ壊す必要はない、ってよく言われるんだけど、見てきた中で、パスはすごい上手に仲間に通せるんだけど、ゴールになってくるとゴールに入れることはできない。

松原 それはなぜですか?

グスタボ やっぱり、ゴールに対して芸術的というのは言い過ぎかもしれないけど、ゴールはすべてを決める瞬間。サッカーの中でゴールというのは試合の中で1回しかないかもしれない。それは一流の彼らにしかできない要素だと思います。能力だといってもいいと思うんですけど、G5自分をよく知って、自分は一番何が良かったかというと、ダイレクトのシュートが一番よかったです。そのための、マークの動きとか、前をちょっと外してとか。自分はダイレクトが得意だから、ダイレクトまで持っていけるような動きをやる。逆に言うと、2回3回ボール触るとものすごい下手だった。なので、ダイレクトに持っていけるように、その前のプレーで考えてた。自分が一番見た中で、一番ダイレクトを決められるのが、ポジェルさんだったんだけど、逆にツータッチ、スリータッチで彼より下手な人はいなかった。G6自分のプラスとマイナスを知ることはチームにとってとても大切だと思います。あんまり、自分の秘密っていうのは理解しにくいかもしれないけれど、TVで言ったことないこと言うかもしれないよ。本当にいいヒントだと思っているので。

松原 ゴールを決めるための要素として、自分自身を知ることっていうのはポイントなんですね。

グスタボ とっても大事なことだと思ってますし、22歳までは不安で、自分はいろいろなことをやってみたいと思うんだけど、自分の能力を理解してくると、22、23、24歳まで経験を積んで、一流のサッカー選手というのは、26、27歳では世界で通用する選手だと思っている。

松原 年齢によって経験というのは変わってくるんですか?

グスタボ G7若いっていうのがすごい大事だと思うんだけど、若いうちはハングリー性もあるし、毎日自分の限界まで出せるっていうのがあるし、G42プロでいうある程度のレベルの中にいると、経験の吸収の仕方が違う。だから、自分の経験を相手に最大限に生かす。なので、南米でも2、3年プロでやった選手が19、20歳で安定した選手に見える。トットナムでハリーケインって人がいるんだけど、だいたい4回くらい移籍して、24歳で初めて安定してきたんですよね。

2017年2月インタビュー時

 

松原 僕も今、本を一週間に一冊ずつ読んでるんですよ。それで聞きたいんだけど、よく日本で言われていることで、いいストライカーになるためにはハングリーになることだと。でも、日本は基本的に裕福なんですよ。南米とは違うんですよ。その辺について、日本でストライカーを生むために大切なことと、あと、ハングリーってストライカーに大切な要素ですか?

グスタボ G8 15歳前後っていうのが、ゴールへのこだわりと、ゴールを奪う前後の動きが特別だと思うんですよね。日本は裕福なのでハングリー精神がない代わりに、G43そういう選手を特別扱いする、練習前後で良さを引き出す、伸ばす。最終的にゲームになったら彼のワンタッチで試合が決まる。

松原 要は特別にストライカーになるために時間を作ってあげるってことですよね?

グスタボ G9総合的な選手を作るより専門的な選手を作った方がいい。グラウンドの中の専門的な場所で、専門的なプレーを作る。そういうのがあったらハングリー性の代わりになるんじゃないかなと。

松原 あくまでも、グスタボには外から見た立場で日本のサッカーを良くしてもらいたい。

グスタボ 自分が外から見た日本人っていうのは、最近、90年代からネットワークの上達、ネットとかTwitterとか、そういうので情報が流れすぎて、グラウンドの中でフォーメーションをオープンにできないことがたくさん出てきている。昔だったら、グラウンドで起きたことはグラウンドで終わるってことが、テレビとかですべてのプレーが見れちゃう。ただ、日本人は現代でもサッカーに対する誠実さが、もちろんクオリティが高い選手も低い選手もいるんだけど、言ったことに対しては誠実に守る。働き者っていうのが日本人の良さだと思います。